社会問題 BOOK

同性婚問題について考えよう。Youtube生配信企画。

こんにちは。今日は同性婚問題について深掘りしていくぜ

オカマバーで働いているという立場上、同性婚についての意見を求められることが多くなった。もちろん同性婚は賛成だし、私自身も今後そういう縁があるかもしれない。性別に囚われずに家族になれることは大いに結構なことだと思う。

しかし、ただ賛成するだけでいいのだろうか?

日本では相変わらず認められない同性婚。海外では徐々に認められはじめているのにどうして? そのことについていろいろ調べてみたぞ。

パートナーシップ制度と同性婚の違い

日本国内でもパートナーシップ制度がどんどん導入されている。今年2022年の2月、私の故郷である青森県は県全体でパートナーシップ宣言制度が開始された。県全体での導入は全国で6例目で東北では初。一番遅れていると思っていた青森県だけに意外だった。さらに2022年4月、わたしが住んでいる神奈川県厚木市でもパートナーシップ制度が導入される。2022年現在、日本でのパートナーシップ制度の導入状況は約52%の自治体。ここまでくると日本全国でパートナーシップ制度が導入されるのもそんな遠くないのかもしれない。

ここで問題なのが

そもそもパートナーシップ制度って何? ということである。

これ、ちゃんと説明できる人はどのくらいいるのだろうか? 本やネットで調べてもそこに書いてあることは「結婚に相当する関係」ということだけで、詳細はあまり語られていない。結婚との具体的な違いについて、ちゃんと知らない。なにより私自身がよくわかっていない

たとえば渋谷区と世田谷区のパートナーシップ制度でも違う。渋谷区は条例型といい、世田谷区では要綱型であるという。条例型は手続きが複雑で公正証書の作成が必要になる。この証書はパートナーのどっちかが病気や事故、あるいは高齢が理由で判断能力を失ったとき、もうひとりのパートナーが後見人になることができる手続きで、面倒なんだけど法律に近い。

一方渋谷区以外のパートナーシップ制度は要綱型といい、パートナーシップ宣言制度になっている。手続きは簡単だけど渋谷区ほど効力がない。渋谷区の条例とは違い、パートナーの財産をどうこうする権利はない。

渋谷区の手続きを読んでみたけど、かなり複雑だ。しかし、本気でお互いの人生を考えた関係なら渋谷区型はちゃんとしている。

各県のホームページで、パートナーシップ宣言制度の説明を見てみたが、ほとんど曖昧だぞ。宣言制度で認められる明確な例くらい記載してほしい。

なにより私自身、パートナーシップ制度を利用しているという人に会ったことがない。セクシャルマイノリティの知り合いはわりと多いんだけど。

というわけで、力関係でいくと

婚姻 > 渋谷区型パートナーシップ制度 > 世田谷区型パートナーシップ宣言制度

となる。

それでは次はパートナーシップ制度と婚姻関係の違いについて考えていこう。

調べれば調べるほど、頭が痛くなるぜ。

まず、決定的に違うのが法的な効力がない、ということ。

パートナーシップ制度は自治体レベルの制度であるため、法律が絡む手続き、やりとりができない。パートナーシップ制度の説明が曖昧になる理由は、法律が絡んだ例をあげるとキリがないからだろう。

そこでパートナーとの関係性で法律が絡む代表的な例として

財産権(相続や関係解消後の財産分与)

親権

慰謝料

などなど、他にも配偶者の税控除など、金が絡む権利問題はたくさんある。

結婚すると両者に当たり前に発生する権利だが、パートナーシップ制度の場合は、これらは一切認められない。いくら自治体で認められた関係でも、法的には他人になってしまう。

親権は、たとえばパートナーのどっちかに連れ子がいた場合でも、もう一方には親権が発生しない。

関係が解消しても財産の分与はないし、仮にどっちか一方的な理由で関係を解消したとしても慰謝料請求はできない。

ほとんど彼氏彼女と同じじゃないか?

そういうことになってしまうが、あくまで法的に効力がないということなので、企業や自治体が行っているサービスをパートナーとして受けることができるものもある。たとえば。

生命保険の受け取り人

公共住宅の同居人としての入居

ほかにもいろいろメリットはあるのかもしれないけど、残念ながらこれ以上はわたしもよくわからない。そのくらいパートナーシップ制度とはなかなかにわかりにくいものなのである。

スマホの家族割は公的証書が必要なので、渋谷区型だと受けれるらしいぞ。

我が故郷青森県も、やっぱり世田谷区型のパートナーシップ宣言制度のほうだったけど、無いよりはマシ。

海外での同性婚の現状

それでは次は、海外の同性婚の実情について知っていこう。同性婚が認められている国はどのようにして、今に至ったのだろうか?

さすがにここからは教科書が必要だ。何冊か読ませていただいたが、一番わかりやすかったのがこの本。

LGBTの不都合な真実 松浦大悟

この本を書いたのはゲイであることをカミングアウトしている現職の議員さんだ。その熱量と情報量はこれまでのLGBT本のなかでも一番。ものすごく勉強になったし、秋田県出身ということもあって地方出身者としては共感できる部分も多かった。この本を参考に話を進めたい。

まずフランスの例について。

フランスは決まりを作るのが好きな国だ。ワインの生産量は実はイタリアが世界一なんだけど、フランスは品質や原産の細かい取り決めが多いので、国としてのブランド力を築き上げることに成功している。

フランスは2013年「みんなのための結婚法」が制定されている。フランスは1999年にパックス(連帯市民契約)というパートナーシップ制度が導入されている。このパックスは先ほど紹介した渋谷型のパートナーシップ制度に近いもので、財産共有やパートナーが死亡した場合も賃貸契約を継続でき、社会保険の共有などもできるので、結婚と同等の権利が得られるものである。このパックスは年々利用者が増え、2018年には20万組にのぼった。

この本によると、フランスの「みんなのための結婚法」が制定されたポイントは、同性愛者のみを特別扱いした法律にしなかったことだという。すべての市民の平等の権利が認められなければならないというフランスのテーゼは、差別を許さないと同時に、特定の人種やグループを特化することも認めないというフランスの建国理念に基づくものであり、最後にはフランスのナショナリズムに合致する形をとることで議論を着地させたということだそうだ。

革命起こした国だけに、みんなを巻き込んでいく姿勢があるぞ。

次はアメリカの例をみてみよう。

アメリカに関してはこっちの本が詳しい。

同性婚論争 小泉明子

アメリカというキリスト教国家が、どのようにして同性婚の合法化にいたったのかを事細かく書いている。細かすぎてやや難読だが。

まず、アメリカがいかに宗教国家かという例の話がある。まだ同性婚が合法化されていない2012年のコロラド州での出来事。

ある同性カップルが、マスターピースというケーキ店にウエディングケーキ作りを依頼した。マスターピースのオーナーのジャック・フィリップスは敬虔なキリスト教徒であり、同性婚反対の立場からケーキ作りを拒否した。オーナーのフィリップスの行為はコロラド州の反差別法に違反するものとし、ケーキ店に改善命令を出した。

すると今度は、フィリップスが「それは信仰の自由を侵害する」として、逆に訴えてきた。

このお話は、ある権利を主張することにより、別の権利を迫害していることになってしまった一例である。

尊厳と尊厳が対立した、アメリカらしい例だぞ。

アメリカは合衆国なので法律も州によって違う。同性婚がアメリカ全土で認められるようになるまでは、OKの州とダメな州とで分かれていた。アメリカ全土で同性婚が認められるにいたったのは、ある事件が大きく影響している。それがオバーゲフェル判決。

オハイオ州在住のジム・オバーゲフェルは同性の恋人ジョン・アーサーと20年以上にわたり安定した継続的な関係にあった。2011年、アーサーがALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断を受ける。運動神経細胞が侵され、全身の筋肉が徐々に動かなくなっていく難病で、治療法がない。パートナーのオバーゲフェルはアーサーのケアにあたっていた。しかし、当時オハイオ州では同性婚が認められていなかった。アーサーが死亡したあと、オバーゲフェルが生存配偶者として死亡証明書に記載されることはない。

オハイオ州の州法では同性婚は認められてはいないが、連邦政府は「同性婚をしたカップルに対し異性カップルと異なる取り扱いをしてはならない」という判決をしている。この判決に基づくと、ほかの州で婚姻関係を結んだカップルに対して、オハイオ州は同性婚を否定できないのではないかと考え、オバーゲフェルは他州の法律を調べた。そして居住要件がなく、当事者の一方のみが裁判所に出向けば婚姻許可証が得られるメリーランド州を見つけた。難病で移動が困難なパートナーのアーサーのため、医療飛行機がチャーターされた。2人はオハイオ州からメリーランド州へ飛び、医療飛行機の中で婚姻。3ヶ月後アーサーは死亡。

この一件で、はじめは「他州での婚姻関係を認める連邦憲法上の義務もない」と判断されたが、激しい口頭弁論を繰り返しながらも、2015年6月26日、連邦最高裁は全米レベルで同性婚を認める判決を下した。判決は5対4。認められたとはいえ、いまだに反対派が多いのも事実である。

アメリカは歴史的にも痛烈な同性愛差別があった国なだけに、この決定は大きい。

このように、その国によって同性婚が合法になるまでの道のりが違う。2022年現在、世界では32カ国が同性婚を認めている。アジア圏では唯一台湾だけである。(タイは検討中)イスラム圏や中国、ロシアでは依然として同性婚は認められていない。

先進国首脳会議(G7)で同性婚が認められていない国は日本だけ。

世界はさまざまな動きを見せているぞ。日本はどうする?

反対派の意見

さて、ここで反対意見にも耳を傾ける必要がある。これだけ意見が割れることなので、時間をかけて冷静に対話していく必要がある。

LGBTの不都合な真実、第二章に書かれてある「アメリカの保守派は同性婚についてどう考えているか」を参照してみよう。

結婚を生殖から切り離してしまうと、もはや歯止めがきかない。

同性婚を認めることで結婚と生殖の結びつきを切ってしまえば、多重婚(1人が複数人と結婚する形式)を止める理由もなくなってしまう。これは連邦最高裁での同性婚訴訟で反対を表明したロバート長官の意見。

極端なことを言うと、ペットやアニメキャラとの結婚も認めなければいけなくなるという。動物やアニメのキャラを真剣に愛する人は少数だが確実にいる。同性婚を認めてしまえば、今後そういったことも認めていかなければいけなくなるから、生殖を超えての婚姻関係は認めるべきではないということだ。

たしかに極端だけど、そういった形も否定はできない。

日本はどうする?

日本で同性婚が難しいのは、憲法の問題が引っかかってるからといいます。有名な2021年の札幌地裁での「同性婚訴訟」判決で「同性婚が認められないのは違憲」という報道が流れたが、あれはメディアが誇張しすぎたものであり、実際の言葉でない。

このことを「LGBTの不都合な真実」ではわかりやすく解説している。

論点は三つの憲法。憲法24条。憲法13条。憲法14条。

まず、憲法第24条にはこう明記されている。

憲法第24条

第1項 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

ここでの両性とは男女を指すので、憲法24条の婚姻は男女両性(異性間)の形しか認めていないこととなっている。

憲法13条にはこう書かれている。

すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法そ の他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

ここでは幸福追求権について明記されているが、これを同性婚と結びつけるには難しいと松浦さんは書いている。

そして憲法14条

すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

札幌地裁の武部裁判長は、同性婚制度そのものが存在しないことが違憲だと言ってるわけではなく、異性愛カップルであれば婚姻することで受けられる法的利益を立法府が一切提供していないことが問題、としたものである。

このことから、この三つの憲法の解釈次第では法的に同性婚を認めさせることができるという憲法学者もいるが、著者の松浦さんは同性婚に賛成だが解釈改憲は反対の立場を取っている。憲法を改正しないと同性婚は白か黒かわからないグレーな存在としていつまでも色眼鏡で見られてしまう。と言っている。

また批評家の東浩紀さんも「これは憲法9条の解釈改憲の第二弾のようなもの。これをやっていたらすべての条文が言葉レベルで組み替えられていく」と指摘している。

解釈次第という曖昧な形で無理やり認めさせるより、フランスのようにきちんとした形で同性婚を認めたほうがいいぜ。

常識とは何か?

同性婚とは文字通り、同性同士(男と男、女と女)が法の下で保障された婚姻関係を結ぶことである。

これは変なことだろうか?

昨今では漫画や映画の影響もあってか、そういった同性間の関係性は何となくイメージしやすいけど、 世間一般ではパートナー関係とは男性と女性のペアが当たり前とされる。結婚は異性間で行われるというスタンダードなモデルがあるからこそ、同性婚はどこか風変わりなものに見えてしまう。

しかし、常識とはすぐに変わるものである。常識は、私たちが意識することもないほどに見事に切り替わっていくものである。

たとえば、結婚は親同士が勝手に決めるのが当たり前とされていた時代があった。今でもそういう風習の国や民族はあるが、少なくとも日本では親の意思に関係なく自分で相手を選べる。常識とは皆が思っているほどに強固なものではなく、時代によって形を変える。

わたしくらいの歳の人(40代)は、子供のころ、悪さすると先生に殴られるのが当たり前だった。先生に殴られたら、家に帰った後「先生に迷惑かけるな」と、さらに追い討ちをかけられて叱られたものである。しかし現代では先生が生徒を殴るなどありえないし、そんなことがあったら即ワイドショーのネタにされてしまう。ミヤネ屋や恵俊彰の仕事が増える。

常識が時代とともに変化していくように、同性婚もいずれ当たり前のものになっていくと思う。

常識外れは、ある意味では最先端なんだ

わたしの意見

ずいぶん長くなった。最後に私の意見を語ろう。

私は同性婚は賛成だ。しかし、冒頭でもお話したとおり、ただ賛成するだけでは何も始まらない。反対する人も多くいるし、同性婚が認められることによって、これまでの日本で続いてきた家族という関係性の価値観が変わってしまうのも事実だ。

しかし、家族ってなんやねん。

先ほどのオバーゲフェルの判例でもあるように、パートナーが突然難病にかかり死別することもある。そのとき、一番理解していた人の前に、理解せず距離を置いていた親類が突然現れ、権利関係を何もかもかっさらっていき「お前は他人」と言われたら悲しくないだろうか?

わたし自身も実の父親がまだ健在だが、全然会ってないし、おそらくわたしの生き方は理解できない。

理解という意味では実の父親より、少なくともウチのお店のママのほうが私を理解している

それは別に父が嫌いとかそういうわけではないけど、そのくらいセクシャルマイノリティの問題というのはややこしい。実の家族ほどいい関係を築きにくい。

そういう孤独な人生を送っている人にとっては、理解できるパートナーは家族以上にかけがえのない存在となる。

だからこそ、そういうパートナーとの関係を実際の家族と同等に扱う制度があってもいいと思う。

今は男女の結婚すら、うまくいかない時代だ。離婚率は年々高くなるし、生涯未婚を選ぶ人も増えてきている。コンビニの普及など世の中が便利になってきているので、1人でも生きていける。

しかし、自由には必ず孤独と責任がセットでついてくる

何もかも自由にやってきた人が、いつまでもひとりで生きれるとは限らない。1人でいた理由はそれぞれあると思うが、誰も理解しなかった自分を理解する人が現れるかもしれない。それは異性ではなく同性かもしれないのだ。自由すぎて逆に生きづらい時代だからこそ、同性でも結婚できる制度があっていいんじゃないだろうか?

いやあ今回はなかなか大変だったが、調べなければわからないこともたくさんあったぞ。

わたしは相手がおらんので、それ以前の問題となるぜ

このことは生放送で、みんなの意見を聞きながら語ってみました。生だけになかなかうまく説明できなかった部分もあるけど、よかったら動画もどうぞ。

【生配信】(再開)同性婚について考えるの会。性活に役立つ暮らしのマーケットきょんチャンネルでございます。

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