オカマバーで働いているせいか、一応エンターテイナーというか、自分もう少し面白くなりたいっていう欲求に駆られたりするので、たまに芸人本を手に取ったり。この人はどうしてあんな面白いことを思いつくのかしらん? と思い、その人の本を読むことで何か身になりそうなものを探したりするんだけど、面白いことに芸人本はわかりやすいくらい良書とクソ本に分かれる。芸人としてすごく面白い人でも文字になったらアカン人もいる。アマゾンの評価はほとんどアテにならない。顔が知られている分、本の内容が受け入れられやすいということもあって高評価が多いのだけど、それでもひどい本はひどい。
とは言えちゃんと良書もあることは事実。これまでで一番面白かった芸人本はやっぱり松本人志の「遺書」。何気ないコラムのように見えて実はお笑いの秘密が散りばめられているバイブルみたいな本で、著者の才気が伝わってくる。と言ってもこれは私が10代の頃すでに読んでいるものなので、名著とは言っても今更感が拭えない。というわけで最近読んだもので面白かった芸人本を何冊か紹介します。
「言い訳〜関東芸人はなぜMー1で勝てないのか」塙宣之(ナイツ)
「言い訳」というタイトルにするのはもったいないくらいの漫才分析本。っていうかヲタク的。独自の分析力で様々な芸人さんの強みや面白さを解説する。その解説には相当な説得力があり、読んだあとは漫才をより深い見方ができるようになるんだけど、逆にお笑いとはここまで工夫をしているのかと思うと、そのシビアさに後退りしてしまう。おかげさまでお笑いを目指さなくてよかったなあとつくづく感じさせていただいた。この本の趣旨は漫才は普段から日常的にしゃべくり倒してる関西芸人が有利というお話なんだけど、そんな私は逆に関東芸人や地方芸人に魅力を感じてしまう。千鳥とかめちゃ好きだけどなあ。
「天才はあきらめた」 山里亮太(南海キャンディーズ)
ほぼ自伝本なのでよくある話かと思いきや、あまりに赤裸々な嫉妬や挫折の自白で、よくここまで裸になれるものだと逆に感心してしまう。下積み時代の元相方に対する扱いはクズそのものなんだけど、そういうことも書いてしまうのはもはや正直者を通り越して自虐。常に自分の位置を意識してきた人なんだなあと思う。面白さやネタづくりだけではない、自己に対する正当な評価をすることで結果につなげることを学ばせていただいた。まあ、天才あきらめるとか言いながら、この人ある意味天才なんだけど。
他にもたくさん読んだんだけど、文字数がイっちゃいそうなので今日はこの辺で終わり。ちなみにビートたけし、爆笑問題の太田光、芥川賞作家の又吉直樹、の本は文章力の高さや社会問題に対する切り込みが鋭く、もはや芸人本とは呼べないので除外。



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