人間は実に欲深いもので、衣食住に困らなくなると、しょうもない物に金を使うようになる。男だったら車や高級腕時計などに走るが、オカマの私は「豊胸」である。ここ最近、豊胸のことについて調べるようになってしまった。42にもなるくせに、いよいよ沸いてきたか。
調べると豊胸の種類は大まかに分けて3つ。「人口乳腺法」「脂肪注入法」「ヒアルロン酸豊胸」
安全性、自然さ、持続性、など、本人のやりたい豊胸の形にもよるので、カウンセリングが必要となる。それぞれにメリットデメリットがあるので、一個ずつ解説していくぜ here we go!
人口乳腺法
脇の下、あるいはアンダーバストを切開して、そこからバッグ(インプラント)を挿入する方法。バッグの形やジェルの成分にも様々な種類があり、胸のサイズや感触を広く調整できる。切る場所によってそれぞれ腋窩法、アンダー法、という名前があり、それぞれ値段も少し違う。
豊胸パックを入れる人口乳腺法は、他の豊胸方法に比べてかなり大きさをコントロールできるので、2カップ以上大きくしたい人におすすめとのこと。持続も半永久的。
ただしデメリットもある。どの程度の耐久性かは不明だが破れることがあるらしい。技術も伴う手法なので手術費が高い。病院によって差はあるが、約80万〜120万くらいする。ひいいい。
※飛行機に乗っていた豊胸女性のシリコンパックが気圧差で破裂したという都市伝説があるが、あれは一応本当らしい。ただしそれは気圧の変化によるものではなく、元が粗悪なパックだったとのこと。シリコンには空気が含まれていないので実際は気圧の変化で破裂することはないそうです。ただし、パックそのものは強い衝撃によって破れることはある。長時間うつぶせの姿勢をとっていたことにより破れたケースもあるとか。
脂肪注入法
自分の太ももや尻から脂肪を吸引して不純物を除去し、純度の高い脂肪をバストアップに使う、という方法。自分の脂肪なので拒絶反応がなく安全。仕上がりは自然で豊胸しているとバレにくい。レントゲンにも映らないほど自分の乳になる。ついでに太ももや尻から無駄な脂肪も落とせるので一石二鳥。
デメリットは、元々脂肪の少ない細い人には向かないとのことも。術後の持続力も半永久というわけではなく、個人差がある。そしてやっぱり手術費が高い。こちらも価格帯80万〜100万
ヒアルロン酸豊胸
手術を必要としない豊胸。注射のみでバストアップできるので最も手軽な方法である。微調整できるので、バストアップだけではなく、左右の胸の大きさのバランスを調整する人にも有効な方法。値段は注入する量にもよるけど、手術するよりは安い。ヒアルロン酸100ccで40万くらいとか、になってるんだけど、実際何cc入れるとどのくらいの大きさになるのか? というのはわからない。
ただし、持続力が微妙だったりする。ヒアルロン酸は体内に吸収されてしまうので、豊胸の効果は長くて2年くらいとの話も。
結局どれがいいのか?
大まかに三種類の方法を紹介したが、実際はシリコンの種類だとか、ヒアルロン酸の種類も多岐にわたり、これ以上のことは専門のお医者さんでないと説明が難しい。目的や理想の胸の形によって様々な方法を用いることになる。
女性であれば妊娠や乳がん、といった体の問題も生じるので、慎重に判断したいところだが、私のようなオカマはただ見た目を改善できればいいだけなので、この中で選ぶとしたら人口乳腺法(豊胸パックを入れる手術)になる。2カップ以上のバストアップが可能+半永久的な持続。自分の欲しい条件を満たしているのはこの方法が一番最適だと思う。ただし100万は覚悟しなければならない。
自己投資としての価値
とはいえ100万である。決して安い額ではない。ちなみに私は100万くらいは持っている。が、たかが乳のために使えるのか、といったら判断が難しい。この投資によってどれだけの満足度とリターンが得られるのかを考えると、一時的な喜びとエロいおっさんが寄ってくるだけで終わるかも知れない。それも何か虚しい。現時点では豊胸は単純に自己満足に過ぎない。私の乳が大きくなること、と世の中の役に立つこと、が合致すれば迷わず豊胸するが、そのような事象は起こりそうにない。自己満足も大事な動機だけど、大の大人の100万の使い道としては弱い気がする。
美容は歳を重ねるごとにコストが上がる
私の中で最大の矛盾点はここにある。美に関しては女は歳を取るほど金がかかる。原理原則で言ったら若い女の外見が魅力的なのは、出産を目的とし、オスを惹きつけるためだ。繁殖のメカニズムにおいて妊娠適齢期と外見的魅力が比例するのは正しい。なので、歳をとっても美しいということは自然の理においては矛盾する。(おかまなんて矛盾そのものだけど)「歳をとっても美しいままでいたい」は私も否定できない欲求だが、これは美容業界に植え付けられた消費目的としての概念なのではないだろうか。私は今年42歳になる。ここから先は何にしても金がかかる。シワ1本消すために何万も払う人生は本当の意味で幸せなのか?
こんな小説がある
昔読んだ本だけど、川上未映子の「乳と卵」という豊胸をテーマとした変わった小説がある。豊胸手術を受けたい母親とその娘との関係を描いた作品で、芥川賞を受賞している。10年以上前に読んだ本だけど、母親の勝手さに限界を感じた娘が、卵をぐちゃぐちゃにしていたシーンが印象に残っている。オチやストーリーははっきり覚えていない。母が老いることと娘が成長することに、卵が割れるという意味深な描写が上手いこと突き刺さってくる。もう一度読み返してみよう。豊胸する前に。
さらにもう一冊。おそらく日本トップクラスに売れたであろう芥川賞作品、又吉直樹「火花」。こちらはもう十分に読まれていると思うので今更ネタバレも何もないだろう。最後、主人公の先輩にあたる芸人がウケ狙いのために自らの乳を豊胸する、というオチ。オカマでさえ悩んでいる豊胸をお笑いのために行うという邪道ぶり。いい意味で豊胸に対する思いが軽くなる。それにしても芥川賞は豊胸ネタが好きなのだろうか?



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